日本内部統制研究学会 
 会長 橋本 尚
2019年10月
会長就任のごあいさつ


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拝啓
 10月に入っても全国的に30度前後の日々が続き、秋の訪れが遅く感じられる今日この頃ですが、会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 去る9月15日に中部大学名古屋キャンパスを会場にして開催されました、第12回日本内部統制研究学会全国大会で行われました会員総会において、第5期(2019〜2022年)の理事および監事が選出され、直後の新理事会におきまして、私、橋本が新会長として選出されました。
 当学会も、基礎を築かれた初代の川北 博会長(2007〜2010年)、当学会の活動の骨格を形作られた鳥飼重和会長(2010〜2013年)、当学会の確固たる基盤を築かれた八田進二会長(2013〜2016年)、当学会の国際的認知度を高められた神林比洋雄会長(2016〜2019年)の多大なるご尽力により、創立13年目の現在、正会員215、準会員28、そして、賛助会員10の、合わせて253の会員数を擁する学会へと大きく成長してまいりました。
私自身、何分にも、浅学菲才の身ではありますが、こうした多くの会員の皆様のご期待にお応えすべく、当学会の発展に向けて微力ではございますが全力を傾ける所存でございます。つきまして、ここに、会長就任のご挨拶を申し上げますとともに、会員の皆様の絶大なるご支援とご指導を賜りますよう、心からお願い申し上げる次第です。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ところで、昨年末に開催されました第3回公開シンポジウム「内部統制報告制度の実効性確保について―制度導入10年を経ての教訓と課題―」では、制度導入後10年を経て、内部統制報告制度は機能しているのか、との問題意識の下に、内部統制報告制度の評価・運用の形骸化の問題や訂正内部統制報告書の増大化傾向によるモラルハザードの問題などが指摘されました。「令和」の新しい時代を迎えて、当学会としても、わが国における内部統制報告制度の有効かつ健全な運用に向けて、学術的にも実務的にもいっそうの貢献ができればと願っています。
 また、本年度の全国大会における議論からも明らかなように、当学会の研究対象領域は、内部統制を中核としつつも、ガバナンスや全社的リスクマネジメント(ERM)など広範に及ぶものとなっており、非営利組織に係る問題も包含するようになっています。人工知能(AI)に代表されるテクノロジーの進展が内部統制に及ぼす影響についても関心が高まっています。こうした内部統制を取り巻く現状を踏まえて、当学会といたしましても、今一度原点に立ちかえって、有効かつ効率的な内部統制の整備および運用を確実なものとすべく、また、健全かつ公正な企業活動を促進し、かつ、透明性・信頼性の高い情報発信に資するような内部統制に関する学術的・実践的な知見を提供するという社会的な使命を果たしていきたいと考えておりますので、会員の皆様のお力添えの程、よろしくお願い申し上げます。
 以上、僭越ではございますが、会長就任に際しましてのご挨拶を申し上げます。
 会員の皆様におかれましては、ますますのご活躍とご健康をお祈り申し上げます。

敬具